活動内容

【学会講演】難燃・共同セミナーで難燃性プラスチックのリサイクルについて講演(2023.12.1)

2023年12月07日

第9回難燃・共同セミナー(日本難燃剤協会と一般社団法人 難燃材料研究会の共催)で、難燃性プラスチックのリサイクルについて講演しました(2023.12.1、連合会館(東京))。

「難燃性プラスチックのリサイクルの課題と対策」

<概要>

 難燃性プラスチックのリサイクルの現状と課題、さらに、サーキュラーエコノミーを推進する上での対策について述べた。

 難燃剤等を使用した難燃性プラスチックは、自動車、建材、家電等の耐久製品用途に広く利用されている。しかし、現在、家電用や塩ビ製品の一部を除き、これらの廃棄物の大部分の処理には熱回収(サーマルリサイクル)が行われている。今後、材料の価値の循環を目指すサーキュラーエコノミーを推進するには、難燃性プラスチックのマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルを進めていく必要があり、特に、水平リサイクルが最重要である。

 水平リサイクルのための技術開発として、回収プラスチックの種類別の選別・分離技術、樹脂の劣化予測技術、回収材の物性回復剤、高耐熱・高耐湿性の難燃剤の開発状況について解説した。さらに、カスケードリサイクルの大口利用候補として、インド、欧州等で進んでいる路盤材(アスファルト系)への利用を紹介した。また、ハロゲン系難燃剤含有の難燃性プラスチックは、ハロゲン系ガス発生のため、従来、ケミカルリサイクルの対象とされなかったが、比較的低温(300℃~)での加熱前処理での脱ハロゲン化と、その際、発生するハロゲン・アンチモン混合ガスの高温加熱による酸化アンチモンとハロゲン化水素への変換・回収技術について説明した。

 今後の展望として、難燃性プラスチックの水平リサイクルの推進のため、材料・製品のリサイクル設計と再利用プロセスを融合し、高い経済性を実現できるリサイクルシステムの構築について述べた。


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