活動内容

【著書執筆】ポリ乳酸の難燃化技術に関して執筆(2024.1.12発行)

2024年04月30日

㈱シーエムシー出版発行の『ポリ乳酸の生産・成形加工・高機能化技術』:第Ⅲ編第8章 ポリ乳酸の難燃化技術(pp.157-164)を執筆しました(2024.1.12発行)。


<概要>
 ポリ乳酸は、植物成分の100%利用や良好な生分解性による環境調和性に加え、比較的耐熱性や機械的特性(強度)が高く、量産化も進んでいるので、包装容器や繊維などの汎用製品で利用展開されている。さらに、電子機器、自動車などの耐久製品の一部でも利用が進みつつある。しかし、ポリ乳酸の耐久製品への利用を拡大するためには、耐熱性や機械的特性の一層の向上に加え、火災防止のため難燃性の付与が重要である。そこで本章では、プラスチックの燃焼と難燃化の機構や、ポリ乳酸の燃焼特性と難燃化の検討状況について説明した。そして実際の開発事例として、難燃性ポリ乳酸複合材の開発と電子機器への利用について解説した。すなわち、安全な水酸化アルミニウムと有機リン系難燃剤、加えて、結晶化促進剤や加水分解抑制剤などの特有な添加剤の利用によって、電子機器用の高度な難燃性とともに、成形性や耐熱性、機械的特性を達成できたことを述べた。さらに、これらの添加剤の特性を生かし、従来の石油系難燃PC/ABS樹脂より優れた、耐薬品性、耐光性などの耐久性も実現し、パソコン、プロジェクタ、POS、ガソリンスタンドの外設機器にまで幅広く展開したことを説明した。そして、難燃性ポリ乳酸複合材の今後の利用展開の可能性と課題について述べた。


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