2022年09月23日
一社)難燃材料研究会主催の 第8回特別セミナー『サーキュラーエコノミーと難燃材料』で、以下のテーマで講演 (Online開催)を行いました。(2022.9.15)
「サーキュラーエコノミーでの難燃材料の動向と将来展望」
<概要>
従来のリサイクルに代わり、経済性を重視する循環型環境対策として、サーキュラーエコノミー(CE)が注目されており、耐久製品に使用されている難燃性プラスチックについても、この取り組みが重要となっている。しかし、リサイクルを進めるためには、臭素系難燃剤の使用や、リサイクル時の物性低下、経済性などの課題がある。これに対し、最も経済性に見合うリサイクル方法として、元の製品に再利用する水平マテリアルリサイクルの優位性をコスト分析から説明し、この水平リサイクルを実現するための技術開発の動向や、参考となる塩化ビニール製品での取り組みについて解説した。さらに、CEが成り立つ難燃性プラスチックの水平リサイクル実現のための技術開発の方向性や、講演者らが実施した技術開発の事例について述べた。(以下に、具体的な講演目次を記載する。)
<目次>
1.概況
難燃性プラスチックのリサイクルの状況(リサイクル方法、
製品 別の概況)
2.難燃性プラスチックのリサイクルの経済性
コスト分析によるリサイクル方法の優位性の解析:マテリアル
(水平>カスケード)>ケミカル
3.難燃性プラスチックのリサイクルの検討状況と課題
(1)マテリアル(水平)リサイクル
・実施例、課題・対策 (難燃PS、ABS、PC/ABSでの物性低下
と対策)
・水平リサイクルに有利な難燃剤・物性回復剤
(2)マテリアル(カスケード)リサイクル
アスファルト路盤材の改良材利用、塩ビ製品の再利用など
(3)ケミカルリサイクル
コークス炉原料化、ガス化・油化の状況、脱ハロゲン化処理
4.開発事例の紹介(NEC)
(1)シリコーン添加ポリカーボネートの開発とリサイクル
(2)難燃性エポキシ樹脂複合材(プリント基板)のリサイクル
(3)塗装レスのための傷防止添加剤
5.今後の展望・提言
サーキュラーエコノミーでの難燃性プラスチックの今後の方向性