2022年09月23日
CMCリサーチ主催の企業向けセミナーで、以下のテーマで講演 (Online開催)を行いました。(2022..8.26)
「バイオプラスチックの基礎と応用、開発・利用動向と開発事例」
<概要>
プラスチックスは、海洋汚染に加え、資源枯渇、温暖化などの環境問題が顕在化しており、この対策として、再生可能でCO2を固定化できる植物を原料にしたバイオプラスチックが重要となっている。本講演では、まず、プラスチックスの環境問題の現状について述べ、そして、バイオプラスチックの基礎から応用まで解説した。すなわち、バイオプラスチックの開発・利用の歴史、分類、主要バイオマス、生分解のメカニズム、世界や日本での利用と技術開発の動向、今後の生産予想、さらに、代表的な種類の構造と物性や利用上の課題について説明した。特に、欧州・中国では生分解性タイプ、日本では非生分解性のバイオマス利用タイプの割合が高く利用傾向が異なるが、日本では廃棄後の処理が熱回収主体のためである。また、中国や東南アジアで生分解性タイプの大幅な増産が予定されており、今後、世界の生産の中心となっていく可能性がある。さらに、本講師が日本電気㈱や筑波大学で取り組んだ、耐久製品用の高機能なバイオプラスチックとしてポリ乳酸複合材やセルロース系樹脂の開発と製品適用の実例を紹介した。最後に、バイオプラスチックの今後の展開の予想と目指すべき方向、特にリサイクルの推進と海洋分解性の重要性について述べた。
<目次>
1.プラスチックの環境問題の現状と対策
世界や日本での廃プラスチックの排出や海洋汚染等の現状と
対策 状況
2.バイオプラスチックの基礎から応用
2-1 概説: 開発・利用の歴史、特徴・メリット、主要バイオ
マス、生分解のメカニズム
2-2 日本や世界の生産状況と将来予想
2-3 各国での認証や規制の動向
2-4 主要な種類の説明(構造、物性、用途・利用状況、実用上
の課題など)
3.高機能バイオマスプラスチックの開発・製品適用の実例
3-1 新しいバイオマスプラスチックの企画、開発の狙い
3-2 ポリ乳酸複合材
3-3 セルロース系バイオマスプラスチック
3-4 藻類利用バイオマスプラスチック
4.今後の展望
バイオプラスチックの今後の予想と目指すべき方向